今回のスーツはオルターネイト・ストライプのシングルブレステッド・ピークドラペルのスリーピースである。当サイト管理人の知人であるHasem氏のオーダーしたものである。Hasem氏は、沖坂氏がかつてDraper's Bench在籍時に「懐中時計と万年筆にとても詳しい方がいるんです。」と言われて紹介していただいた方である。正円形のアンティークの眼鏡が似合う方で、帽子も夏はボーター、冬はボーラーと欠かさない、大正ロマンを感じさせる紳士である。当サイトで過去催した集いでも時計評論家の方々と同等にお話のできる知識量に驚かされた記憶がある。


生地は英国 Reid & Taylor のデッドストック。ネイビーにパープル、そしてその他ブラウン系や赤系の色も混ざった、いくつかの色の糸を組み合わせたオルターネイト・ストライプ。しかもヘリンボーンの織柄も入った、とても凝ったもの。Hasem氏は特に当時ならではの肉厚の生地でオルターネイト系のストライプが好みとのことで、他にもこうしたネイビーのオルターネイトストライプ系のスーツを何着かオーダーされてきた方である。


     
仕様はスリーピース、ピークドラペルのシングルブレステッド三ツ釦。




  
正面。ボタンを掛けた画像と、外した画像。
ウエストのシェイプは、アイロンワークでの癖付けといせ込みながらの縫製という、
職人による丁寧なハンドワークの賜物である。


フロント釦を開けた姿を斜めから見ると、特に襟の毛まわしが美しいのが判る。
襟の芯に使われる本バス芯は職人のハ刺しによるハンドメイド。
いまどき芯まで手作業で職人が一からつくるスーツは日本でもそう多くは見かけないのではないか。









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