Esquire

1933年創刊のアメリカの雑誌。Arnoid Gingrich(アーノルド・ギングリッジ)という一人の名編集長によって創刊されたこの雑誌は、「Art of Living」をコンセプトに、文芸、評論、エンターテインメント、音楽、レジャー、ファッションといった様々な題材を扱った。そうした読み物の充実ぶりもさることながら、ファッションに関する記事にあわせて掲載されていたイラストが非常に参考になるものであった。特に1930年代〜40年代にかけて活躍していたローレンス・フェロウズ、レスリー・サールバーグ、ハード、チャールス・フォックスといったイラストレーターのイラストは素晴らしく、飛行機で移動するジェットセッターたち、客船に乗船する旅行者、リゾート地のホテルのエントランスや夜のパーティーの紳士淑女から、競馬場で競馬を楽しむ人たち、といった当時の貴族的とも言える豊かな生活を送るジェントルメンのファッションスタイルを鮮やかに紹介していた。
左の画像は、苦労して手に入れた、記念すべき1933年の創刊号の表紙。




Men in Style 
THE GOLDEN AGE OF FASHION FROM ESQUIRE
Rizzoli社/刊

Esquireの愛読者をはじめ、オールドスタイルのファンには垂涎の一冊。「THE GOLDEN AGE 」と呼ばれる、1930年代〜40年代のいわゆるハリウッド映画の黄金期と重なるこの時代は、メンズファッションにおいても黄金期と呼べる時代を謳歌していた。本書はそんな時代のEsquireの誌面を飾ったファッションイラストにスポットをあて、当時のスタイルを紹介している。まさにオールド・ジェントルメンズ・スタイルを検証するに最適の一冊である。残念ながら現在は入手不可能の、貴重な資料本となっている。



Clothes and The Man The Principles of Fine Men's Dress
アラン・フラッサーの正統服装論
アラン・フラッサー/著  アシェット婦人画報社/刊

アメリカの服飾評論家でもあり、自身もニューヨークでメンズクロージングのカスタムショップを展開するアラン・フラッサーの名著。本書はアシェット婦人画報社から出版されている日本語訳版。
エレガントに、かつ自分をベストに見せるためにはどうしたらよいか」をテーマに、紳士の正しい装いを図解と明快な文章で判り易く展開した一冊。紳士服の初心者から上級者まで、必携の一冊といえる。



Dressing the Man
Mastering the Art of Permanent Fashion

Alan Flusser/著 Harper Collins社/刊

「私にとって究極かつ最後の本になる」(メンズクラブドルソ2001年秋号(アシェット婦人画報社刊)インタビュー)とアラン・フラッサー自身が宣言した、渾身の一冊。ウインザー公をはじめ、昔日のハリウッド映画のスターやウエルドレッサー達の着こなしを研究しつつ、いまいちど「正しい装い」「エレガントなスタイル」とはどういうことかを豊富なコーディネート実演例を見せながら展開。その過程で示される各アイテムや着こなしのルールの歴史的事実を踏まえた背景をも今まで見た事もないような珍しい写真を織り交ぜながら紹介している。日本語版が待ち遠しい一冊である。



Esquire's ENCYCLOPEDIA
OF 20TH CENTURY MEN'S FASHIONS
エスクァイア版20世紀メンズ・ファッション百科事典
O.E.ショーフラー ウイリアム・ゲイル/著 スタイル社/刊(日本語版)

原版はMcGRAWHILL BOOK COMPANY社から出版されたもので、総ページ数709ページの文字通り20世紀のメンズファッションに関する、恐らくほぼ全ての事柄が網羅されている百科事典。今はなくなってしまったスタイル社が日本語版を出版したもので、本当によくぞここまで纏め上げたものだなと感服してしまう。どちらかというと、アパレル業者やファッションメーカー、デザイナーなど、いわゆる業界向けの本でありながらも、紳士服飾が好きな方にとっても読み応えのある本。紳士服飾の歴史を本当に真面目に勉強したいと思った人には必ず役立つ本といえる。








  ← Library Top                            Next Page →            


All Contents Copyright (C) 2009 ESKY