|
|
Dressing for Autumn & Winter
2
"Black Jacket, Knit Vest, and Gray-Trousers"
|
|
今回は1930年代当時に見られたジャケット・スタイルをコーディネートした。黒のジャケットはDraper's
Benchのもので、カシミヤ混ウールの生地が上質感を漂わせる贅沢な一着。インナーはグレイのシャツにアールデコ調のニットヴェストをタイドアップであわせ、トラウザーズはシャツと同じグレイ系の色目のものをあわせてみた。 |
|
|
当時の服飾本等の資料を見ると、ジャケットやスーツの上着の下にニットを合わせる着こなしをしばしば見かける。特にラウンドネック(またはナローなVネック)のニットをあわせ、首元はあえてタイドアップで(またはアスコットタイを)あわせるという装いをよく目にする。ニットという、ある種カジュアルなニュアンスのするアイテムを「タイドアップ」というフォーマルな装いであわせているのである。想像ではあるが恐らく当時ポロ競技や競馬、クリケットやゴルフといったスポーツの隆盛により、アウトドアの社交場で着られる装いのひとつとして、タイドアップという、相手に失礼のないフォーマルな着こなしに、ニットという機能的(=寒さを防ぐ、という意味で)なアイテムをあわせるというスタイルが広まっていったのではないかと想像する。ニットという、ある種カジュアルなニュアンスのするアイテムを「タイドアップ」というフォーマルな装いであわせるのは、現代においてもニートな装いとして楽しめる
|
ジャケットのバックはピンチバック仕様になっている。腕の付け根から背中中央に向かってアンブレラヨークが入り、ヨークの中央先端部分からウエストのバックベルト中央部に向けまっすぐに降りるタックが入った、代表的なピンチバック・スタイル。これもアウトドア・ファッションの隆盛によって登場した仕様である。 |
|
バストアップ画像。ジャケットのラペルはピークドラペル。ニットヴェストのネック部分はラウンドネック仕様で空きが狭く、タイドアップしたクラバットの柄をほんの少しだけ覗かせると、如何にも30年代当時の気分の着こなしが楽しめる。クラバットはDraper's
Benchで購入した1本。アールデコ調の幾何学柄を織による微妙なグラデーションで表現したもので、企画をしていた沖坂氏が30年代当時のものを復刻させたものである。 |
|
ネック周りの空きがナローで身幅がタイトなニットヴェストは、フランスのインポートものでこれもDraper's
Benchで少量のみ入荷したものを購入させていただいたものだった。当時のニットはこのような身幅がタイトめのものが多く、Vネックやラウンドネックを中心に様々なタイプのものが出回っていた。好みにもよるがより1930年代っぽい雰囲気を求めるなら、個人的にはラウンドネックのものをお薦めしたい。柄もアールデコっぽい雰囲気のものなどを意識してあわせるとより当時のモダンな雰囲気を愉しめる。 |
|
|
足元にはコレスポンデントシューズをあわせてみた。これはロイドフットウエアのコンビネーション。コンビネーションでありながらギリー・シューズという「濃い」仕様で、よくレディメイドで展開したなと個人的には嬉しくもちょっと心配してしまう(?)一品ではある。 |
|
|
← Previous Page Next Page → |
All Contents Copyright (C) 2009 ESKY |