Room No.6


leo氏のビスポーク・コーレスポンデント・シユーズ ◆




当サイトのLoungeRoomでもしばしばご登場いただいているleo氏から約1年越しで完成したビスポークのコーレスポンデント・シューズの画像をいただいた。leo氏は紳士服飾、紳士靴に関して深い造詣と知識をお持ちの方で、このスタイルに限らず、感性に訴えかけてくるスタイルは積極的に身に着けて取り入れる感覚をお持ちの方。そんなleo氏が1年越しで作ったというコーレスポンデント・シューズは、彼の「こだわり」が凝縮されたものだった。氏の渾身の一足をご覧いただきたい。

靴の製作にあたりleo氏は各作業パートを日本の靴業界の中でも屈指の方々にお願いされた。全体のディレクションは、leo氏が尊敬して止まない靴業界の大御所、坪内浩氏。LAST(=木型)の製作は松田哲弥氏。そして、靴の製作は津久井玲子氏、という大変贅沢なスタッフィング。まさに靴好きの方が聞くと羨ましがるような、ドリームチーム(!)である。
各氏については、以下の特集サイトをご覧いただきたい。
坪内 浩       http://www.boq.jp/special/2006/sp_shoenintoiro/vol005/index.htm
松田哲弥      http://www.boq.jp/special/2006/sp_shoenintoiro/vol008/index.html
津久井玲子    http://www.boq.jp/special/2006/sp_shoenintoiro/vol009/index.html


デザインソースとなるものは、
かのAlan Flusserの“DRESSING THE MAN”に掲載されていたものを選んだとのこと。
Alan Flusserの“DRESSING THE MAN”より、leo氏が今回のビスポークのデザインベースとした靴の写真。
往年のコーレスポンデント・シューズが当時の服飾写真と共に紹介されています。
ちなみに本に掲載の二人の人物写真に写っている一人は、なんとジョージ・ガーシュインである。



松田氏により、美しく削り上げられたLAST(=木型)。
木型なのに、美しいと思ってしまいます。



仮縫いのもの。仮縫いは2回行われた。画像は2回目のもの。仮縫いでは色が茶×アイボリーだが、これは単に余っていた革を使っているためだそう。ちなみに勿体ない気もするが、1回目のものは仮縫いチェック後に捨てられるとのこと。

完成した靴は、一見当時のヴィンテージのデッドストックかと見紛うような素敵な一足に仕上がっている。色と素材は濃紺の表革×白のスウェード。濃紺に白のスエードという色選択が、leo氏ならではの美的感性が感じられる。甲からトゥへの流れるようなライン、またトゥから土踏まずのへのシェイプしたラインがとても美しい。また、ブローギングの上下やシューレースのパート、タング、ヒールカウンターの縫いつけの細かいステッチが、革と同色ではなく、白いステッチで縫われているところが、この靴をよりレトロ且つクラシックな雰囲気にさせている。

ソールの土踏まずのシェイプが美しい。
半カラス仕上げの色目の境目に施された美しい模様も素敵である。
こうした部分に、クラシックな美的感性が感じられる。



leo氏曰く、自身の足は甲が薄く、フルブローグの切り替えしのものでは、しばしば甲革が折れて足の甲に当たり、痛い思いをされているそうだが、この靴は流石にそういったトラブルがないとのこと。またヒールの部分も小さく仕上がっており、抜群のホールド感だそう。全体的にタイトフィットでありながら、どこも当るところが無く、ビスポークシューズの良さを改めて実感した、とのこと。





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