( 18th June 2006 )



沖坂秀樹氏のプロデュースする「 SAVOY dressmaker 」より、パターンメイドのゲージ見本が上がってきた。より求めやすい価格帯で更にリアリティ溢れる往年のスタイルを、この場にてご紹介したい。


今回出来上がったゲージ見本は夏物のスーツ見本のツーピースのもの。ゲージ見本を拝見してまず感じたことは「殆どオーダーメイドと変わらないラインを構築できている」ということ。勿論、フルオーダーとパターンオーダーを比較すること自体がナンセンスとは思いつつも、こと30s40sのスーツスタイルを嗜好する紳士諸兄にとって命ともいえる、その「ライン」の出方は、このゲージ見本をみる限り、「素晴らしい」のひと言につきると言えよう。胸からウエストにかけての微妙な「ドレープ」(=皺)ラインが非常にエレガントな雰囲気を醸し出す。


パターンメイドながらも他のメーカーにはない、
素晴らしいウエストのシェイプライン。


トラウザーズはバックにかけて山なりにせり上がっていくブレイシーズ仕様のスタイルを踏襲。
通常オーダーメイドでしか受けないような本格的な紳士服のスタイルを取り入れる。
トラウザーズの前右側にはフラップ付チェンジポケット。タックはクラシカルなツーインタック。そしてブレイシーズ用釦は外側に付けられる。一方バックにもブレイシーズ用の釦が外側に付けられ、センターはV字のスリットが入る。山なりにせりあがった佇まいと相まってクラシカルかつ男性っぽい雰囲気を醸し出している。バックポケットはクラシックに左側にフラップ付きのものがひとつのみであるがこれは指定によって変更も可能とのこと。


ながきに渡って英国のヴィンテージクロージングを 見てきた沖坂氏。その経験と知識を集約した、氏の集大成ともいえる「 SAVOY dressmaker 」のスタイル。クラシカルでありながら、時代を超越した紳士の「リアル・クロージング」を体現したスタイルといえる。





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